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 ひとひら、ふたひら。
 ちらちらと舞っていた雪が濃度を増していく。
 その年、初めての雪が降ると密かに胸が躍る。

 激しく降っていた牡丹雪が、気温が下がるとともに粉雪に変わっていく様を眺めるのも、その中を歩くのも好きだ。

 初雪はすぐに消えてなくなるけれど、しばらくしてドカ雪が降り積もると、この雪が根雪になるだろうと予想する。
 長い冬の始まりである。
 今は昔の雪国の思い出。


『雪を待つ』

12/15/2023, 4:27:19 PM