「ありがとう、ごめんね(創作)」
寒くなってきて布団から出るのが大変になってきた。そして今日も案の定…
遅刻気味。
社会人三年目だけど、お母さんがお弁当を作ってくれている。本当に本当に嬉しくて感謝しているんだけど、私への母の愛情が時々重たく感じる時がある。
「ご飯もう少し少なくていいよ」
「あら、そう?」
「卵焼きの中にほうれん草おおくない?」
下を向いていた母が私の顔を見て、「うるさいな!!」と、怒鳴った。いつも優しい母が…
口に入れた卵焼きを、一気にごくりと飲み込んでしまった。
「作って貰っといて文句言わないで」
「誰も不味いとか、いらないなんて言ってないじゃん!」
「ありがとう!って、持っていけば良いのよ」
そうだけど…そんなつもりで言った訳じゃないのに…次の言葉が出なかった…
ふと顔をあげて母の顔をみたら、母も、はっとした顔をした。
「あ、言いすぎたわ、ごめん」
「ううん、私のほうこそ、いつもありがとう」
そういった後、ぎこちない顔で、お互い見つめあった。
12/8/2024, 1:07:20 PM