かたつむり

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ずっとこのまま


「はぁー!楽しかった!」
「そうだね」

少し大きいショッピングモールからの帰り、電車に揺られていた。
乗ったときはあまり電車は混んでいなかったが、最寄りが近づくにつれて人が混み始めた。

「電車混み始めたね」
「そうだね、はい、こっち詰めて」

席を譲る雰囲気を察するのも億劫で、なんとなく席を立つ。

「え?じゃあ自分も、」
「いいよ、朝早かったでしょ。それに人に流されちゃうよ」
「じゃあ荷物持つよ」
「ん、ありがとう」

真っ暗な地下鉄。窓に映る自分と目が合う。
視線を下へ落とすと、抱えた荷物に顔を乗せて、眠そうにしている顔が見えた。
どうにかフラフラしないように、荷物に顔を乗せているんだろう。
しばらくすると、静かな寝息が聞こえ始める。
綺麗に手入れされた長いまつげ、寝息と共に揺れる肩、力が抜けて開きそうな膝を、自分の膝で止めてあげる。

大きな駅でだいぶ人がおり、また隣に座り直す。

「⋯今どこ」
「まだあと30分はかかるよ」
「そっか、寝てた」
「寝てなよ。起こしてあげるから」
「うん、ありがとう」

また荷物に顔を埋めようとした為、少し頭をこちらに寄せる。
そのまま、また静かに寝息を立て始めた。

あぁ、今はずっとこのままでもいいんだけど、
でも、ずっとこのままじゃ、ありませんように。

でも今はまだ、気づきませんように。

1/12/2026, 3:53:21 PM