高く高く高く高く飛んでいく、あの風船になりたかった。何も縛るものもない、あの風船に。重力だって、君のその小さな手だって。あの風船を縛るには弱すぎる。高く高く、もう届かないほどに高くをゆらゆらと飛んでいく風船を眺めながら、そっと風船のひもに心を結んで飛ばす。心だけは自由だから。何を思っても、何を感じても。君だけのもの。君だけの心だから。縛るものは何もない。あの風船のように、ゆらゆらと飛んでゆけ。
10/14/2022, 12:02:18 PM