たったひとつの希望。それは死である。
人生がどれだけ苦しくてもいつか死ぬのだから問題ない。いつかは生まれる前と同じ無に還るのだ。
どんなに憎い相手も死ぬ。すべてはどうでもいいことだ。
そういう理屈を並べてもやはり感情はどうしようもない。感情は制御できない。
苦しいものは苦しいし憎い相手は憎い。今をどうにかしたいのだ。
そのすべてを解決するのが死だ。死ねばすべての問題がなくなる。すべて解決する。
ただ人生には喜びもある。死はそれらさえも奪いさってしまう。なによりも死ぬのは怖い。
俗世の欲望を捨て去ることができれば楽になれるのにできない。人生の喜びこそが人を苦しめるのか。
死は希望であり救いだ。だというのにそれを選ぶことができない。人は弱い。あるいはそれを強いと言うのだろうか。
そして今日も死を望みながら生きている。
3/2/2023, 7:29:26 PM