「 星座 」 / 実話です。
夕暮れ時、高校生の私は塾の帰り道を泣きながら帰っていた。模試の結果が中々伸びず 、塾の先生に厳しい事を言われてしまった。周りの友達はどんどん実力を伸ばしている中、自分だけが取り残されているような気がして、胸が苦しくなる。
「 どうして私はこんなに出来ないんだろう...。」
私は、足元を見つめながら、涙をこぼした。頭の中で「ダメな自分」と、「もっと頑張らなきゃ」との声が交互に響き、ますます気持ちが沈んでいく。私は、自分の弱さを痛感し、情けない思いでいっぱいだった。
その時、ふと顔をあげると空には無数の星々が輝いていた。いつもは気にも留めなかった星座が、今夜は特に鮮やかに見えた。
小さな頃、父と一緒に星座を見上げた時のことを思い出した。父が、「星座は色々な物語を持っているんだよ。」と教えてくれた言葉が蘇る。「オリオン座は、勇気を持って挑戦する人の象徴なんだよ。失敗しても、また立ち上がる事が大切なんだよ。」 私は目を凝らし、オリオン座を探した。そして、ついにその三つの星が一直線に並んでいるのを見つけた。父の言葉が心に響く。「失敗は、星座のように自分の一部。全てが繋がっているから、次に進むための道しるべになる。」
涙を拭き、少しずつ気持ちが軽くなっていくのを感じた。失敗は恥ずかしいことではなく、成長の一部であり、何度でも立ち上がる力を与えてくれる。
「明日からもっと頑張る」と心の中で決意し、私は再び歩き始めた。星空を見上げながら、自分もいつかは輝く星座の一つになれることを信じて。私の胸には、今まで感じたことのない強い希望が宿っていた。
10/5/2024, 12:13:12 PM