火を灯す。目の前に拡がる懐かしい風景。必ずあの子が出てくるが、あと少しで手が触れる、というところで、いつも火が消えてしまう。私は、何度も何度もランタンに火を灯す。あの子の笑顔が見たくて。あの子に触れたくて。いつしか私は、自分がかなり年老いていることに気づく。老いの速度が異常に早い。記憶の中のあの子に会うことは、私の寿命と引き換えだった。それでも、あの子に触れられるまで私は火を灯し続けるのだろう。
11/18/2025, 10:33:59 AM