私の部屋の隅で手垢にまみれ、埃に覆われたギターが寂しそうな顔をしている。彼(ギター)との思い出を語れば、短編小説くらいは描けるだろう。しかし、思い出とは不思議だ。あの頃の彼は私の一部であったが、しかし、今となってはあの頃の思い出は薄れ、ただ部屋の隅で寂しそうな顔するだけのガラクタになってしまった。彼を売るなんて考えられないが、また彼と共にステージに立とうとも思えない。いっそのことステージで彼を壊してしまおうか。いや辞めておこう。それも無意味だ。
12/7/2024, 2:36:31 PM