鶯になりたかった鳩

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逃げることはできない 
暑い陽射しの下
誰もが必死に走るリレーにて

それほど仲よくない友よ
鋭い眼差しの君が向かってきた

バトンを渡すために ただ駆け抜ける
そこには何かが宿っているようだった
その力強さに 思わず鳥肌が立った



一瞬だけ、結ばれる瞬間



裸足の僕はグラウンドの砂を蹴り
痛みなど気にせずただ走った
ただゴールを目指すために


地面を蹴る感覚に覆われて
少し下手くそなアナウンスも
叫ぶ応援団の声も
聞こえなくなった

ただ前を走る背中を追いかけて

10/15/2023, 10:31:29 AM