腹有詩書氣自華

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───題.もう二度と

黄水仙、彼誰れに揺るる

月白の水面に、黄の花弁が落つる。
薄霧のたなびく暁闇、風はそよとも鳴らず。

男の袖に、沈香の香が淡く残る。黄の花は、別離の色。

「もう、戻らぬと?」

囁きに応えるものはなく、ただ水仙のみが揺蕩う。
指先を滑る冷えた茎、ほどける結び。

それはまるで、手放した縁のように。

 ――さらさらと、水音。

やがて波紋に沈み、黄水仙は消えた。

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黄色い水仙の花言葉 : 「もう1度愛してほしい」

3/24/2025, 10:12:03 AM