目が合う。
その人から目が離せない。
「会いたかったわ。」
気が付いたら、互いに走り出して、互いに抱きしめあっていた。
「私も会いたかった。」
もう一度、彼女と目が合う。
涙が溢れて、ピントが合わない。
「もう会えないと思っていた。だから、本当に嬉しい。」
彼女から木綿の手縫いを手渡されて、涙で濡れた顔を拭いた。
「わたしも、あなたに会えて本当に嬉しい。遠路遥々、ありがとう。」
彼女は、泣きながら笑っていた。
「こちらこそ、招待してくれてありがとう。」
私は、精一杯の笑顔でそう言った。
9/12/2024, 3:57:46 PM