小さな鞄を肩から斜めにかけて、左手に傘を持ち、座席から立ち上がった。朝から降っていた雨はもう止んでいた。駅から出ると、町の木々には色とりどりのイルミネーションが装飾されていた。立ち止まり、変わってしまった町並みを見つめた。ああ、とうとう帰ってきてしまった。光の輪郭は程よくぼやけて行き、何とも言いようの無い美しさになった。私はゆっくりと歩き出した。
12/15/2023, 2:43:32 AM