あれはすばらしい花だと言われ、咲きそうな蕾を誰かがたいせつに育てている時、その花を見る人がいちばん心ないのはとても悲しいことだ。
焼け野原に咲いている花はひとつではないし、あなたたちが勝手気ままに踏みにじっていいものでもない。
わたしの大好きな向日葵が昨日枯れてしまった。あなたたちにへし折られ、わたしたちはきっと水をあげすぎた。
どうしたら良かったのかはわからない。ただ、まだ根は腐っていないことだけは信じている。
花は世界にひとつだけとむかし誰かが歌っていた。
みながみな大輪の花を咲かせられたらいい。
けれどもそれはとても難しいことだ。
すべて育て方が違う花同士で向き合って、なんとか咲こうとあがいているわたしたちの世界は、そんなに綺麗ではない。
けれど、もしも人の咲かせ方が見えた時はどうかそっと教えてあげてほしい、いつか満開の花畑が見られることを願っています。
(繊細な花)
6/26/2024, 2:37:27 AM