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 〈遠くの街へ〉

  歩く、歩く。
  ある時は駆け足に、また、ある時はゆっくりと。
  少しずつ、帰路に逆らって、夜道を行く。

  帰ろう。いや、もう少し。あと、少し。
  伸びきった影が月に惚れて、地面に揺らめく。
  このまま行けば、どこへ辿り着くのだろう。
  あるいは、どこに着けるのだろう。
  どこになら、わたしの安寧はあるのだろう。

  ひとしきり、馬鹿げたことを考えて、百八十度。
  足跡で逆立てた道を均すように、帰路につく。
  今度は月ではなく、仄めく人の灯りを目印に。
 
  けれど、遠くの街なんかに、行けたらば。
  わたしは愛する希望に、出逢えるのでしょうか。

2/28/2026, 6:55:16 PM