流れ星に願いを。
この寮でのルールを聞いてから、頭が一気に空白と化した。するなと言われると余計したくなるのが人間であって、エイプリルフールでのとびっきりの嘘も何もかも全部する必要もなくなって、嘘って言われてもなーとか、簡単に吐けるけど、そこまで苦じゃないルールだしなとか、徐々に頭の空白を取り戻していた。
部屋にいるのがなんだか落ち着かなくて外に出ると、
そこには寮長がいた。
「なんだ、君か」
「何してるんですか寮長」
「今夜は流れ星が流れるそうだ、だから願い事でもしようかと」
真面目にそう答える寮長がなんだか可笑しかった
「寮長って意外とロマンチストなんですね」
「別にいいだろ、ロマンを持つくらい」
「そうですね、」
「ところで君はなぜ外に?」
「あ、いや、そのーなんだか落ち着かなくて」
「そりゃ実家と一緒じゃないからな」
「そーゆー落ち着かなさじゃないんですよ」
「よくわからんが、外に出たかったんだな」
なんかズレてるよな…
そう思いながら、寮長の隣に座る。
流れ星はそのタイミングで流れてきた。
「あ、」
「願い事できたか?」
「いや、そんな余裕…」
「私はできたぞ」
ニカッと笑う寮長の顔がなんだか優しかった。
4/25/2026, 10:54:09 AM