言葉を重んじるふりをしてきました。
言葉の虚構に耐えて、生きました。
母の蜜を煮詰めたような濃厚な甘さを含んだ声色、言葉が苦手でした。
どうしようも無く、虫酸が走りましたから。
父の研ぎ澄ました剣のような冷たさを含んだ声色、言葉が嫌いでした。
只管に強くあろうと、固められた言葉だと分かっていましたから。
両親の異質さは、御覧の通りです。
まるで、言葉が通じませんでした。
完璧さに囚われた人。
現実の見方を忘れた人。
それが、私の両親でした。
今にして見れば、分かります。
彼らは、唯、必死に生きていただけなのだと。
しかし、彼らの生前には分かりませんでした。
それで良かったと思います。
本当ですよ。
やっと、気持ちと事実が整理出来たのですから。
3/11/2026, 1:04:24 PM