十日目 雫 街の喧騒をいつしか離れ、すれ違い様に傘を閉じる。湿った空気に包まれながら、何となしにベンチへ腰掛ける。猫の鳴く声、人の足音、風に揺れる木々、降車する人々。ぼんやりと、何かを待っているような気になる。 足元の小さな水面が揺れるのを見て、ふと顔を上げると、屋根からまた一つ、雫が落ちようとしていた。
4/22/2026, 2:11:07 AM