六月

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 体が、意識が強く引っ張られている。
 まるで別次元へ転送されるように引き摺られている。

 息は浅く、口先から空気を吸いながら吐いている。
 口内と口外を行き来する小さな風が生まれ、前歯に滲みていく。

 貧弱な呼吸を繰り返すことで、心臓が止まりそうなほど豪速に跳ねている。
 鼓膜を押さえたり、胸に手を当てたりせずとも迫り来る鈍い音が聞こえる。

 切れない感覚が手足を勝手に動かす。
 体が求めるままに表出されていく。


 やがて興奮は止み、息が深く深く入っていく。
 そして瞼を開けないうちに私が暗く重く沈んでいく。


(真昼の夢)

3/3/2026, 12:00:16 PM