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これは夏の暑さで溶けそうな私を
友達が誘ってくれたあの日の出来事。

「やっぱり暑いね〜」

「暑すぎて死にそう」

「いや,だから海にまで来たんでしょ?」

「来ても尚暑いわ」

なんて言いながら

私たちを置いて友達と出かける彼を置いて

私達もプチ旅行をすることにして
景色がきれいな海に来ていた。

海の底まで見える海は私たちにとって新鮮で
みんなテンションが上がりまくっていた。
みんなで写真を撮ったり
浮き輪を使って浮かんだり
いつもとは違う
非日常を味わうことが出来て幸せだった。

私は彼からのネックレスをしたまま
海に入っていた。
海の波もネックレスも
太陽の光でキラキラと輝いていて綺麗だった。

少し強い波が来て私のネックレスは
海の底の岩と岩との間へ落ちていったのが見えた。

「ねぇ!私たち飲み物買いに行くけど行く?」

「行かない!」
飲み物よりも今はネックレスのことで
頭がいっぱいいっぱいだった。

「じゃあなんか適当に買ってくるね!」

「ありがとう!」

そう言って私はネックレスが落ちた所まで潜った。
しかし海の底は思っていたよりも
深くて息が続かなくて潜ることが難しかった。

「どうしよう...」
彼からのプレゼントを落とすなんて
きっと彼は許してくれるけど,悲しむだろうな。
そんなの申し訳なさ過ぎて私が許せない。

頭を働かせたがもう一度潜る。
ネックレスを取り戻すのにはその方法しか
思いつかなくて
また大きく息を吸って潜った。
またさっきのところから苦しくなってきたが
私は我慢してその先へ行こうとした。

すると見た事のある顔が居た。
そう私の彼だった。
なんで?そう思いながら
私は彼と1回上がることにした。
水面に上がって彼と話した。

「なんでいるの?」

「そっちこそなんで居るの?」

「プチ旅行してた。」

「俺達もだけどスゴすぎ。
じゃあなんで潜ってたの?」

「えーっと...ホントにごめんなんだけど。
あなたから貰ったネックレスをつけてたんだけど
落としちゃってだから拾おうとしてた。」

「あ〜そうなんだ。OK。
俺が取ってくるからそこにいて」

そう言って彼はまた潜って行った。
少し待っていると彼は
私のネックレスを持って上がってきた。

「はい。もう落とすなよ。」
そう言って渡してくれる彼は優しい顔をしていた。

「あとここで会ったことは
秘密ってことでじゃあ家で会おうね。」
そう言って彼は戻って行った。


タイミングよく
「飲み物買ってきたよ!」
「休憩しよ!」
大きな声でそう声をかけてくれる
友達の方に向かって走り出した。

海に誘ってくれる友達も
ピンチを助けてくれる彼もいてくれる
私は幸せ者だと思う。
私も友達も彼も大切にしていきたい
そう思った1日だった。





─────『海の底』

1/20/2023, 11:40:45 PM