そこは、森の中だった。木々に囲まれて、人が作った建物はここだけだ。それも森に馴染むように極力自然に近い形である。ベランダに出ると、森の息吹を感じることができる。
夜は、月明かりに照らされる。思いのほか明るくて、青白い世界が広がっていた。高い木々は、青い陰影に彩られ、その下の草木もほのかに青い。虫の鳴き声と、何かの鳴き声がする。それは、ひたすら一定で心地よい。
空には、星がきらめく。気が遠くなるほど無数にある。ああ、自分はちっぽけだ。世界は、とてつもなく広い。普段見ているものなんて、ほんの一部にすぎないのだ。そう思うと視界が滲んできて、星たちがチラチラ、チラチラと降り注いで見えるのだった。
「星に包まれて」
12/31/2025, 8:28:24 AM