薄暗い廃屋をペンライトの弱弱しい灯りを頼りに、二人互いにしがみつきながらコソコソと進んでいく。
ビビリのくせにホラーが大好きな君にせがまれて、職場の近くで開催されていた体験型ホラーアトラクションに現在、共に参加中だ。
遊園地のお化け屋敷とは違って、制限時間内に謎を解かないとゲームオーバーとなってしまうらしい。
廃屋内を徘徊する幽霊役に見つかってもゲームオーバーになってしまうので、警告音が鳴る度に幽霊役に見つからないように息を潜めて隠れなければならない。
幽霊から隠れつつ謎を解いていく、全く新しいアトラクションらしいのだが。
やっていく内に、そこはかとない懐かしさが込み上げてくる。
何だろうな、と扉の裏に隠れてやり過ごし、去っていく幽霊役の背を見てハッと頭に浮かんだ。
これほぼ缶蹴りだ。
テーマ「怖がり」
3/16/2024, 7:23:35 PM