Void of Death

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腹を空かした黄土色の空が人の営みをせせら笑う
大きな目玉が頭の上まで昇って、それから落ちた
瞳孔が大きく開いて、血管がよく見えた
蒼の陽が
蒼の陽が
遠い親戚に似ていた
知らんぷりしていた

非日常はゆっくりと崩れる
老いた狗のように
食い意地を張ったカタツムリのように
紙の上にただインクを垂らしていた
透けた空に藍の色が乘る

思わず目を覆った




5/21/2025, 3:09:38 PM