黒佐

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今日にさよなら、と言ってもただ「別れた」というだけの気分にならないのはなぜだろうか。
それどころか、「今日にさよなら」と言ってしまうと、そのときの「今日」に存在した全てを、あの日の「今日」に置いてきてしまったような気がしてならない。
眠るのが怖くなる。
昨日の私が消えていく。
下書きのチラシの裏に「今日にさよなら」とだけ綴った私の感情や思考が、今日にはもう存在しないのと同じで、気を絶ち眠りを挟んだ世界は、昨日の私が知ることのない、また新規の世界なんじゃないかと思う。
この数行前の文を綴っていた私の見ていた世界もその感情さえも、今の私はわからない。
昨日のことは知らないけど、こうして生命活動を続けてはいる。そのためにしっかり睡眠も取る。
私は生きるしかないのだから。

2/19/2024, 7:22:43 AM