月下の胡蝶

Open App

お題《澄んだ瞳》



その瞳は、果ての果てまで見通す――。



この瞳は災いだ。


しりたくもない真実を識り、そして見せる。



それでもこの瞳は希望《のぞみ》だ。



「――この手がどれだけ血で濡れようと。俺はおまえのためなら、捨てられるんだ希望《のぞみ》を」





世界を識る者と世界を渡る者。




わたしたちが夢みた世界は、どこで違えてしまったんだろう。



《同じ瞳》を持つ者なのに。





7/30/2022, 2:06:03 PM