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僕の通っていた高校は、学年によって階が分かれていて、1階は靴箱、2階から1年生の教室になっていた。
入学式が終わり、自分たちの教室へ向かった。ドアに張り出されていた席順の紙を見て席に座り、初めまして、よろしくと隣の席の人に挨拶をしてから一息ついた。窓の外を眺めると桜の花びらがひらひらと散っているのが見えた。知り合いが1人も居ない教室を見渡し、友達が出来るか不安だったが、綺麗な花びらを見たら、なんとかなるかと不安が消えた事を覚えてる。
2年生になり、教室が上の階になった。窓を見ると、校庭のグラウンドが見え、街の様子も少しだけ見えるようになった。夏はミーンミーンと鳴き声が聞こえ、窓から顔を出し、そばにある木をよく目を凝らしてみると、蝉を見つけた時は思わず友達に蝉!と指をさして報告をした。1年の時と比べて、見える世界が一段と広くなった。
3年生になった。さらに窓から見える景色は広くなった。校庭のグラウンドははっきりと見え、体育の授業をしている様子が分かる。街が遠くまで見渡せて、小さくなった店や家を見て感動した。夏休みに学校に行き、勉強をしていると、外から野球部が練習しているのが見えた。休憩中窓から野球部を眺めて、僕も頑張るかと意気込んだ。冬になり、葉が落ちて、段々と日が落ちる時間がはやくなった。授業が終わり、帰宅時間になるまで学校に残って、帰宅の音楽がなり始めた時、カーテンを開けると、完全に日が落ち、真っ暗になった空を眺めると、もう学校生活も終わりが近づいているのかととても寂しい気持ちになった。木に葉が生えだし、庭の花が咲き始め出した。もうすぐ卒業式があったため、皆で卒業式の合唱の練習をした。練習をしながら暖かな日差しが教室を照らし、窓の外を見ると、桜の花が咲き始めており、ほんとにもう学校生活が終わるんだなと歌いながら涙が出そうになった。
卒業式が終わり、教室で最後のホームルームが行われ、泣いている人が数人居た。皆が帰った後、僕は窓の外を見た。もう二度と見ることは無い学校の1番上からの景色。心地よい風を感じ、制服に花を付けた同学年の人達が帰っているのを眺め、思い出に浸ったあと、電気を消して教室から出た。
学生の時はよく授業中窓の外を見てぼーっとしていた。何故あんなにも外の景色に惹かれたのだろうか。家の窓の外からでは味わえないあの気持ち。もう一度学生時代に戻って、あの窓から見た景色を眺めたい。

9/25/2024, 11:14:39 AM