渋柿

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「誰よりもできる」という意志は、少しの残酷な事実によって容易に砕け散る。

愚かな者は、そこに欠陥を抱えたまま、また新しいものを作って、また同じ衝撃で砕け散る。

だから優れた者は、ある程度大きくなるとそんなものは最初から作らなくなる。砕け散るものがないことは、ある意味ではまさに“無敵”なのである。


しかし、ほんの一握り、世界には
“優れた愚か者”と呼ぶべき人が存在する。

その者たちは、なんと、同じ衝撃では二度と砕けない、さらに強い意志を作りあげるのである。

すると、またさらに強い衝撃によって、その意思が砕かれる時が来る。

それでも優れた愚か者は、またさらに強い意思を構築し、いずれどんな衝撃にも砕けることのない、
まさに“最強”の意志が完成する。


砕けるものが無い事と絶対に砕けないこと。

砕けないという事実は同じでも、そこにある意志の強さと輝きはまるで違う。

いつだって、世界を変えてきたのは優れた愚かな挑戦である。

2/17/2024, 4:31:22 AM