命の制限、すなわち寿命は人それぞれ。
長く生きるのを望むのに、その蝋燭は短く。
早く終わりたいと願うのに、その蝋燭は長く。
不公平で勿体無い。神様はこれを平等と言い張る。
なら、永遠に溶けない蝋燭はどうだ。
これもいけない、肉体は生きても心が擦り減る。
終わらない恐怖が背中につき回る。
なんと不便な。なんと面倒な。
この世に生きるとは理不尽な苦行ではないか。
今でも蝋燭は燃え続ける。ゆらゆら、ぼうぼう。
悩みは絶えない。その間にも蝋燭は燃える。
私はなんとなく、胸の蝋燭に触れる。熱かった。
どくどくと震えている。生きている。
燃え尽きるまでの猶予はわからない。
でも、消えた後の悔いは少なくしたいから、
私は蝋燭を持ってこの世を歩く。
小さな灯りは、頼りなくとも温かい。
9/14/2024, 2:27:04 PM