ほむら

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せっかくの休日なのに、今日の予報は雨だ。それも、一日中降り止まない雨なので、外へ出かける気も起きない。気だるい体を起こしてベッドから出ると、既に彼は起きていた。

「おはようございます、もう朝ごはんできますよ」
「おはよう…」

彼はいつもと同じく、優しく微笑みながらキッチンから出てきた。それに対して私はいつもより元気なく返した。浮かない顔をしながら椅子に座ると彼は心配そうな顔をして朝食を持ってきてくれた。

「おや、そんな顔をして…眠れなかったのですか?」
「ううん、今日はずっと雨だからどこにも出かけられないな〜って…」
「確かに、それは残念ですね…」

どこか体が悪いわけではないことにホッとした彼は、その後同情するように眉を八の字にした。とりあえずご飯食べないと、と思った私は出された料理を見ると、それは私の大好物で、彼の得意料理であるオムレツだった。

「わぁ〜!美味しそう」
「少しでも気分が上がるように、貴方の大好物を作っておりました」
「ありがとう、いただきます!」

先ほどまでの様子はどこへやら、私は目を輝かせて食べ始めた。出来たての温かいオムレツは、少し甘みがあり、卵も柔らかくてとても美味しかった。美味しそうに平らげていく様子を彼は嬉しそうに眺めていた。

「大丈夫ですよ。特別なことをしなくても、俺は貴方と居られればそれで充分ですから」
「うん、そうだよね」

そうして私たちは一緒に朝ごはんを食べ、その後は雨音を聴きながら二人で過ごすのであった。

テーマ「降り止まない雨」

5/25/2024, 11:52:26 AM