たくちー

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 ベコっと凹んだペットボトルみたいに価値のない存在で、身の丈に合わない服に想いを馳せる。遺影用の写真にしたいくらい惹かれてる。服は皮膚の延長でカタツムリの殻のように私という存在を主張する。一生のパートナーを見つけた風見鶏がズボンの上から嘴で突いて知らせてくれているのか。それとも苦しみから逃れる為の単なる憂さ晴らしのような衝動的欲求なのだろうか。

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個人的な事に話は飛ぶが、胸の苦しみが限界に近い。19:00に布団に潜る。寝ること以外に苦しみから逃れる術がない。予約運転したヒーターから吹き抜ける風が部屋を暖めるには時間がかかりそうだ。
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着たところで全てが好転する訳でもない。私という存在は変わらない。ただ、どれだけファッションに無頓着な人でも裸で外を歩くことはない。興味がない中でも何かしらを選んで着ている。



題『吹き抜ける風』

11/19/2025, 7:41:31 PM