きっかけは些細なことだった。
ナントカさんがあなたの悪口を言っていたとか、実はホニャララさんがあなたのこと嫌いなんだって!とか。よくある信憑性に欠ける告げ口マンが私とたまたま親しく、よく告げ口先として聞かされていただけだった。
そんな信憑性にかける告げ口でも当時は幼かったから信じてしまうし、それに毎日聞いていれば気も滅入る。
そしてその子とつるむようになってから数ヶ月経った時、誰の話も信じられなくなったのだ。誰かと話していても、きっと内心は私のことを嫌いに違いないという考えが頭の中を支配して、それし考えられなくなる。
だからと全て告げ口の子のせいだという訳じゃないけれど、自分が今いわゆる『ひきこもり』なのは少なからずその子の影響もあるのだろう。
まぁ、快適じゃなかったと言えば嘘になるくらい私は『ひきこもり』の生活を楽しんでいた。この1年間は毎日好きな時間にゲームして、ご飯食べて風呂入って寝る。それだけを毎日延々と繰り返すだけだ。
しかし、そうも言っていられなくなった。お母さんが風邪で熱が上がっているのだ。お母さんは自分で「自分のことは出来るから安心して欲🩼しい」なんて言っているが、足元はフラフラで顔も真っ赤になっている。それに今は部屋が暑いのに寒いとも主張している。どう考えても無理だ。お母さんが倒れてしまう。
「お母さん、薬飲んだの?」
「飲んでないわ。薬もう無くなってたみたい……。でもお父さんに頼んだから大丈夫よ。」
薬がない。それじゃあお母さんはお父さんが帰ってくるまでずっとこのまま……?それはだめだ。お母さんがずっとこのままでは日常に支障が出る。そこで私は1歩を踏み出す力があると
【お題:帽子かぶって】
1/28/2025, 9:02:39 PM