お題『君と出逢って』
ミヤジ先生の勉強会で初めて出逢った。フェネス兄ちゃんの連れてきたその女は街のどの女の子よりも艶やかな髪。白い頬。そしてしゃんと伸びた背筋。
俺は彼女を見た日から、絶好のおもちゃを見つけたと思った。鼠と遭遇した猫の気分だ。
しかしそのおもちゃで遊ぶには壁が高かった。ミヤジ先生とフェネス兄ちゃんの見守りは完璧で、その女に少しでもちょっかいをかけようものなら、ふたり、特にフェネス兄ちゃんなんか見たこともないような笑顔で詰め寄ってきて、
「君はうちの主様に何か用があるの?」
と凄んでくる。
主様、ということは、この女にミヤジ先生やフェネス兄ちゃんは仕えてるってことか? ますます面白いれぇじゃねぇか。
見てろよ、いつかそのでっかい双璧を越えてやる!
5/5/2024, 10:14:27 AM