天輝

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「ふぁぁ〜…」
ここに移り住んでから何年経って何回正月というものをここで迎えたか分からないほど変わらない景色と気怠い寝起き。
まだ働かない頭をゆっくりと稼働させながら隣に居る妻を起こさないようにそっとベットから降りカーテンを開ける。
建物と建物の間からゆっくりと世界を照らしていく太陽の光が開けたカーテンの隙間から部屋に入ってくる。
「…さてと、もう一眠りするかな」
日の出が部屋に侵入するのを防ぐかのようにカーテンをきっちりと閉めベットに入る。
閉めきれていなかったのか、先程より少し明るくなった部屋では子供のような顔で寝ている愛おしい妻の顔。
そんなひとつの幸せを感じながらゆっくりとまた眠りに落ちた。

『日の出』

1/3/2024, 12:19:13 PM