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現実逃避

スマホを見ながら、ベットに横たわった。
女は、ゴミだらけの屋敷で生きているのではない。幸いにも、ある程度のことはできるようだ。
だが、ある現実から目を背けてる時点で普通ではない。
涙を流して濡れた枕。
しわしわになった布団。
散乱した服と感情だけがある。
眉間にしわを寄せて覗き見る家族たちを、どう思う。
女は、「どうでもいい」とだけ呟いた。

あの子は、あれ以来冷たい子になってしまったんです。
え?そんなことないって?おかしいですね。
ええ、はい。そうですね。
箱の準備をしなければなりません。
そうだ。あの子にお花を見せましょう。そうしたら暖かくなるはずです。

母親はそう言うと、花屋に駆け込んだ。

2/27/2023, 10:07:20 PM