甘酸っぱくてクリーミィでパリッと何層も重なる、いちごカスタードパイのような日々をひとしきり送っていた。
振り返ると、胸にトゥルンと響く音が聞こえた。
パリパリのパイが、とろとろのクリームに呑み込まれてしまわぬように、繊細にフォークを運ばなきゃいけないんだ。
優しさだけを求めていたら気持ちが薄れてしまうこともある。
だから言葉のエッジを深めて、君という存在を探し続けたいんだ。
モーツァルトが流れるカフェで、シューベルト好きの誰かを待ち続けるようなものだ。
「やさしくしないで」
2/3/2025, 2:33:56 PM