S.Arendt

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顔が曇っていた

暖かな暖炉のはぜる音とカチャ、カチャと虚しく響くガラスの音

僕の執事は言った
「昔の仲間と飲む約束をしていたワインボトルを不注意で割ってしまった」と

よく晴れた星空を背に彼からはぽたぽたと雨が降る

拭ってあげられたならいいのに、それができない
僕の前で気丈に振る舞う人に出来ることは微笑んでそばにいることだけだから

僕の大事な人、温もりを分つ人
貴方から降る雨をいつか止ませることが出来ればいいのに

11/6/2024, 2:06:50 PM