さくら ゆい

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【私の日記帳】

私は今日も趣味である日記を書こうとしたが、何も思いつかなくて日記帳を机に置いて、クラゲの女の子に変身して外へ出た。

外は夕暮れ時。不思議だ、私は夜中にいたのに。
夕暮れ時の外ではキジバトが鳴いていると同時に女の子が近くの公園のベンチに座って泣いている。
女の子の顔を見たが、私の顔と変わらず。携帯を見ると2017年9月。つまりこの子は11歳の私で、2017年9月は私がなんで周りと同じ生き方や考え方が出来ないのかについてずっと考えていた時期。相談しても『気にしすぎ』『ネガティブなのが悪い』な世界。『繊細』を持った人が存在するという事が都会を自称した田舎にあるわけない。

「都会を自称した馬鹿な田舎で暮らすの楽しい?」
「楽しくないよ、狭すぎてほんと嫌」
「そうだよね『都会ですからこの土地』みたいな勝ち誇った顔してるけど。実際は自由すら手に出来ないしいじめ紛いなことばっか起こるクソな土地だもんね」
「そう!体型で暴言吐かれたり陰口言われたりさ、ボブやショートはダメでロングは良い、服はしまむらじゃなくてブランド物とか言われるの疲れた」
「私も一緒!ロングにしろってずっと言われるの。今になって確信したよ、7年前の私にやっと会えた」
「7年後の私?お化粧してるし髪染めてる!?」
「好きな人のおかげで変身したよ〜。好きな人が可愛すぎてさ、私も可愛くなれたらなんて思ってさ」

「好きな人の写真ないの?」
「これなんだけど、本当に可愛いでしょ?」
「可愛いね。この子が好きなの?」
「うん、気付いたら好きになってたの。でもね7年後はねそれが許されつつある時代になって来たけど、私は私以外には言わないよ」
「それで良いと思うよ。ねえ7年後の私はどうなってるか教えて?」
「楽しく生きてるよ。旅行行ったり演劇したり、色々楽しいことをしているよ。だからこんな変」
「少し希望持てた、ありがとう。もう帰ろっかな」
「家まで送ってあげようか?」
「ううん、1人で帰れるから帰るよ」

彼女は笑いながら走って帰り、それを見送る私。

都会を自称する馬鹿な田舎ではキジバトが今日も相手を探して永遠に鳴いている。

気付いたら夜になっていて、私は家に帰っていた。7年前の記憶は書き変えたも同然ではあるが、希望を持って彼女が生きているのならそれで良いだろう。

8/28/2024, 6:30:39 AM