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瞳をとじて

瞳をとじて 君を描くよ それだけでいい
たとえ季節が 僕の心を 置き去りにしても


そんなこと、季節に置き去りにされた愛する人の顔を愛する人は望んでいるだろうか?

…。瞳をとじてと言えば、当然この歌だが、切ない歌だが、本当にそれで良いのだろうかと私は何時も想う、本当に愛した人だから、先に逝く人は連れてゆけぬを別れとぞ想うのではないだろうか?

映画「タイタニック」が不屈の傑作ラブ・ストーリーであるのは、史実だからではない。もともとジャックもローズも架空の人物だからね、ジャックは冷たい氷河の海でローズの手を取り口づけて言う「君は、こんなところで死なない、好きなものを自由に見て、結婚もして子供も産み、温かいベットで人生を終えるんだ、約束してくれ」ジャックはローズにそう願いをかけて瞳を閉じた。ローズは捜索ボートが戻って来たことを知ると、眠るジャックの手に口づけて彼の手をそっと離す、ローズは生きる、ジャックとの約束を守るためにジャックの尊い死を忘れないために、ジャックの願いを叶える為に生きる決心をして、力いっぱい助けを求める

「助けてください!」

ローズは生きる、自由の地アメリカで好きなことを自由にし、結婚もし子供にも恵まれた、その人生を愛した、だから、ジャックに胸を張って言える「あなたがくれた人生は最高でした」と、ローズは約束をジャックの願いを叶えたから、「もう、いいでしょ」とジャックの魂を海に返し、自らも瞳を閉じることが出来たのだ。

だからこの映画は美しいラブ・ストーリーなのでしょう。

私はねぇ、瞳を閉じてと言われると、この曲と同時に想い出す曲があります。


淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつ ひとつ香りはじめる

それは それは 空を越えて
やがて やがて 迎えに来る

春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の 懐かしき声がする

春よ 遠き春よ 迷い立ち止まるとき
愛をくれし 君の眼差しが肩を抱く

流るる雨のごとく 流るる花のごとく…


誰を想い描くかは人それぞれだが、私は私が今ここにあれる奇跡に、私に命を人生を与えてくれた人たちを想い描きます。写真でしか見たことのない戦死された大叔父様や、嫁いだ家のご先祖様に舅姑様の声や面差しが、肩を抱いて私の背を推してくれています順番は大事です。

悲しいけど、年功序列無視の人は昔々から沢山いて、今にはじまったことじゃないけど、そんな人は必ず失敗すると歴史は証明しています。年功序列無視で日本を統一しようとした武将は部下に寝首を欠かれて、明治維新でもそこから続く戦は終わり戦争100年の時代でも、年功序列無視で暴れた者たちが、累々たる屍を積み上げました。

「いい加減目覚めなさいです」

順番は大事です。

たまには、瞳をとじて、歴史をいやもっと近い自分が今ここに生きる奇跡を命くれた、その命に繋がってくれた人の顔を想うことも善いかななんて思います。


「倶会一処」あの世で皆様に会える日を迎える為に、今この一時を懸命に生きる。

順番通りに歳をとり、順番通りに懸命に生きて
順番通りに老いて 病を得て死ねる幸せは当たり前ではない、奇跡的に幸福なことだ。


「瞳を閉じて」    作詞 平井堅

「春よ来い」     作詞 松任谷由実



令和7年1月23日 

               心幸





1/23/2025, 12:40:06 PM