りくのいるか

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冬は一緒に

親友のみぃちゃんと私は

少々ヤンチャな部類の女子高の美術コースに通っており、

学校帰りに美大受験用の画塾のアトリエまで

バス代節約の為に長距離を歩いて通っていた。

もちろん、冬は物凄く辛い!生足が寒さで痺れた。

2人で学校終わりの疲労と空腹と寒さでガダガダ震えながら

自動販売機で温かい飲み物を買うのだ

私はデブらしく、何か甘い紅茶的な物とか

『あったまる子ちゃん』とか言う当時流行っていた
ちびまる子ちゃん的な名前の柑橘系とかをシャレで選んだり

毎日テキトーに楽しく選んで買っていたが

みぃちゃんはいつも『しるこドリンク』一択である。

みぃちゃんが飲む缶を見て、先生も生徒もみんな驚く

「しるこドリンク!?」

「なんだよ、いーんだもーん!」

みぃちゃんは口をネコのような形にして、手をクネクネと独特に動かし、

私をいつも大笑いさせた。

みぃちゃんは入試前日にしるこドリンクが当たり、
2本出て来て、縁起が良いと喜んでいた。

しかし、落ちてしまった。

「運をしるこドリンクに使い果たした……。」

そう言って2人で笑って一緒に浪人したのだった。

ちなみに私は何も当たっていないで普通に落ちた……。

面白い話が有るだけで、みぃちゃんズルいよ。


12/18/2022, 4:15:49 PM