目を覚めると、隣には小さな赤子が居た。もう、既に、何度か見た光景だがやっぱり慣れない。
これからずっとこの子と一緒に生きて行くのかと思うと、胸が温かくなる。
ベッドかは降りて籠の中を覗いてみた。赤子はすやすやと寝ていて 、起きる気配は無かった。小さすぎる手をつんとつっついてみた。もっちりとした手にも、愛おしさが湧いている。腕の隙間に僅かなほこりが溜まっていて、思わずくすりと笑ってしまった。
すると、赤子の目がぱちっと空いて、じっと私を見た。
その途端顔をくしゃりと歪ませた。まずい、と思う暇なく、赤子の泣き声が部屋中に響き、私は焦りながら急いで抱き上げて、自分の体を揺らし泣き終わるのを待つ。
もう、どのくらい経ったのか分からない。私の腕の中に居る、泣き終えて疲れきった様子の赤子をちらりと見た。その寝顔はまあ、なんというふてぶてしい様子なのだろう。私は苦笑しながら再び籠の中のへ戻す。
タオルで赤子をそっと包み込み、私も再びベッドへ戻る。これが、日常になっている生活は勿論疲れるけれど、新しい生命を自分たちが育てるというなんとも言い難い感情、いや、責任感が私の中にあって、その想いがどんどん強くなってゆく。
ああ、これが親になるということなのかな...
5/24/2025, 2:06:32 AM