この日々に終わりが来る時、私はこれを思い出すのだろうな、とあの時の自分は漠然と思った。
校長に認められなかった非公式のボードゲームサークル。あの日々は、間違いなく真っ白な私たちの思い出を彩る絵の具になったのだ。
オレンジがあっという間に藍色の空を作るとき
吹奏楽部の練習の音
一発逆転で勝ち確した友達のカードの出し方
心理戦で目が合って吹いた時点で犯人がわかる瞬間
口元を隠し続けたマスク
全員登校が許されなかった広く見える教室
部活の大会が全て休止になった私たちが最後にはまった遊び
どこにも行かないでくれと思った。もうこれ以上奪わないでくれと思った。
私たちの高校生活はきっと、私たちより歳上のあなた方より、歳下のあの子たちより、短かった。
あの時しか味わえない遊び方で、あの時しか味わえない生活リズム。もう二度と味わいたくないあの宣言。
大人から見たら異常と呼ばれた、私の青春の時間。
一つも失いたくない、私たちだけの大切な記憶。
/どこにも行かないで
6/22/2025, 11:36:19 AM