「冬は一緒に」
今日は特段寒い。住んでいる町の近くでも雪が降っているそうだ。なるほど、雪がふってもおかしくない寒さなわけだ。
なぁ、マッドサイエンティスト。
「ニンゲンくんから話をしてくれるなんて珍しいねえ!!!ボクはとーっても嬉しいよ!!!……で、ご用件は?」
いや、寒いから何かしようじゃないかー、とか言うのかと思ってたけど、何も言ってこないからなんとなく声かけてみただけだ。
「んー。寒いだけじゃあキミに負担がかかるだろう?だから何も言わなかったわけだが、何かしたいことがあったのかい?」
いや、全く。「なんだいそれは……。」
「だが、したいことならあるよ!」
なんだ、あるのかよ。「全く!キミはもう!!」
「ボクはねえ!こたつに入りたいのだよ!」
こたつ?「そう、こたつ!」なるほど……?
「ニンゲンしゃん!」「ん?」「こたちゅ てなあに?」
「こたつは……テーブルに布団がついたみたいなやつ……。」
「てーぶるに、おふとん?」「まあ、そんな感じ。」
「そうそう!冬は一緒にこたつに入るのが醍醐味なのさ!」
「まあボクと⬜︎⬜︎は太陽の熱に直接晒されようと冥王星に1億年放置されようと全くもって問題ないわけだが!」
……それなら、こたついらないんじゃないか?
「イヤだなあニンゲンくん!ボク達は文化を楽しみに来ているのだよ?!キミとの時間を楽しく過ごしたいっていうのに!」
悪かったって。
「へへっ!キミが幸せなら、ボクはそれで大満足さ!」
「ボクもー!ニンゲンしゃんがうれちいの、だいしゅきー!」
「……ありがとう。」
「それじゃあ、こたつ出すか。ふたりも手伝ってくれ。」
「「はーい!」」
こんな日常なら、どれだけ寒くても暖かくいられそう……なんて思いながら、こたつの準備をした。
その後、みんなでこたつから出られなくなったのは言うまでもない。
12/19/2024, 10:01:37 AM