水晶

Open App

『手のひらの宇宙』

「優花よく見てごらん」
弘おじちゃんはそう言うと手のひらを上にして右手を差し出した。「何も無いだろう?」
次の瞬間、おじちゃんは変な叫び声をあげながらその手をめちゃくちゃに振り回した。その可笑しな動きに大笑いしてると次に出された手には飴玉が一つ。
驚くわたしにおじちゃんは「俺は本当は魔法使いなんだ」

「優花、おやつを選んでやろう」
今日はお母さんも一緒に3人でコンビニに買い物に来た。するとまたおじちゃんが変なことを言い出した。
「内緒だけど俺の手のひらには宇宙があるんだ。で、その凄い力を使って優花のお菓子をタダにしてみせるよ」
そんなの嘘だぁ…と思って見てると、レジのおばさんは本当にお金を受け取ること無くお菓子を渡してくれた。え?本当に?おじちゃんにはそんな力があるの?

するとお母さんが、弘、優花に変なこと言わないで。
優花、それはコンビニの無料クーポンを使っただけよと。なあんだ…そう言うことか。でも手のひらに宇宙って、どっからそんなこと思い付くんだろう。
わたしはおじちゃんのひとを楽しませようとするところ、大好きだな。

1/19/2025, 9:49:31 AM