元から多忙な上に今は更に繁忙期。「遅くなる」「先に寝ていて」彼からは連日そんなメッセージしか届いていない。置かれた立場や状況について理解しているし、こちらも時期に違いはあれど似たようなものだからお互い様だ。少し体が心配になるが、それくらいのものである。と、頭の中で今、何度も唱えて自分自身を抑えようとしている。もう何日もまともに触れ合っていなかった。無理解な子供が身の内から顔を出し、足りぬ寄越せと愚図り始める。彼がいた痕跡を探し、不在の部屋をうろうろ彷徨う。こんな醜い姿は知られたくない、別の部屋で寝よう、でも顔を見たい、できれば受け入れてほしい。浅はかに願う己に呆れ果てて不貞寝するまで、今日はあと何分かかるやら。
(題:最悪)
6/7/2024, 8:49:45 AM