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目が覚めるまでに

コールドスリープで未来の治療に賭けると君は言った。
昔見たSF映画に出て来るような透明なカプセルに入り、眠るまでの間、話をする。

何もしなければ、周りのみんなに世話してもらったりで大変じゃない?ここで眠れば、研究の役に立つし…。
私を待たなくてもいいのよ。誰かと幸せになって欲しい。お願いはひとつだけ。私を忘れないで。

夢か。起き上がって周りを見るといつもの片付けきれない本の山がある。今じゃ紙の本は貴重だ。もう紙を好きには使えないから。
何度も夢に出て来るのは誰だろう?あの場所はどこだろう?地上か?だとしたら、施設はもうないだろう。あの大災害で大地は自力で回復するには何万年もかかるだろうと言われている。生き残った先祖たちがやっとこ衛星軌道上にコロニーを作って、月面や火星へ移住をした。
それでも地上にいたい…いや、取り残された人々がまだいるかもしれない。

まだ遠いな。もう一眠りしょう。夢の続き見れるかな。
次は名前をきいて、あの場所がどこか聞こう。探してみたくなった。
目が覚めるまでにどれだけ話せるかな。
僕の事覚えているといいけど。

僕は次の移住先になる遠い星に向かう長い眠りにつく。

8/3/2024, 1:44:55 PM