ミヤ

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"光り輝け、暗闇で"

黒百合で飾られた幕開けだった。
淡々と演目を消化し、全ての演者が舞台に上がるその時を待つ。

愚かだと、今更だと人は言うかもしれない。
だけど、そうすることでしか自分を生かす方法が見つからないというのだから仕方が無いじゃないか。

常に淡い笑みを浮かべた人だった。
優雅な動作が似合う、丁寧に日々を過ごす人だった。
今、微笑みの奥には息を呑むほど鮮烈な色がある。
研ぎ澄まされた刀身が、昏い決意を宿して濡れたような輝きを放った。

5/15/2025, 4:33:58 PM