語り部シルヴァ

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『半袖』

今日も学校だ...
同じ格好して同じルートを通って同じことを繰り返す...
面白くない。暑い中クーラーが効いた涼しい部屋で
のんびりしてる方が熱中症のリスクも回避出来ていいのに...

外に出てまだ数分しか経ってないのに
もう汗が腕から滲み出てる。
寒冷スプレーとか暑さ対策は
万全にしてきたはずなのにおかしい。
あー...帰りたい。

そう思いながら重たい足を頑張って動かして
やっと教室に着く。
クーラーの効いた教室内は
沢山の清涼剤が混じった匂いがする。
席に着こうとしたとき隣のクラスメイトに声をかけられた。
「おはよう。今日も暑いねえ...」
おはようと返そうとしたとき、
クラスメイトの何かに引っかかって身動きが止まる。

いつもよりも明るい...?いや表情とかじゃなくて
雰囲気...?でもない。なんだろう...
そう思いながらまじまじとクラスメイトを見つめる。

「大丈夫?...そんなに見られるとちょっと恥ずかしいかも。」パタパタと手で顔を扇ぐ仕草に答えがでる。

いつも長袖だった君の半袖姿に見惚れてしまったようだ。

語り部シルヴァ

7/25/2025, 10:13:05 AM