~いつまでも降りやまない、雨~止む気配のない雨にうんざりとしながら空を見上げる。こんな時に限って傘は持ち合わせていない。それならいっそ、この状況を楽しむか。靴も靴下も脱いで、地面を打ち付ける雨の中に飛び込む。頬を包み込む冷たさに思わず目を閉じた。雨に身を任せて後ろに倒れ込む。自身の重さで泥にゆっくりと沈んでいく。このまま眠れればどんなに幸せか。ありふれた空想にしばらく意識を預けていた。
5/25/2023, 11:57:34 AM