石油王になれると確信してスコップ一つで砂漠に穴を掘り続けた末路の骸骨 ... 例えたならそういう亡骸が ... そういう最期の遂げ方をした男が ... 人間51年経た私の見解だ。この男は、こうした男は ... 夢を見ている最中に死を遂げたのだ。謂わば、寝ている最中に死んだのとも同様であるとも私には思える。夢は、叶った後よりも、叶うまでの最中が最も幸せなのだと私は思う。そして夢が叶ってしまった際に静かに降り注ぐささやかな不幸がある ... どのような意味であれ ... 夢は終わり ... 現実に引き返されるという不幸、そして哀しみである。石油王を夢見て穴を掘り続けながら死んだその砂漠の中途半端な穴の底に寝転ぶ骸骨の持ち主だった男の夢や憧れには飢渇という現実を融かす程の嬉しさがキラキラと輝き続けていたのであろうと私には感じられてならないのである。勘違い ... その通り ... なのであろう。男というものは、そのわくわくする勘違いの夢の中で最期を遂げるのが最高に幸せな死に方なのだと私は念フ。少し似た形での死に方で最も不幸な死に方であろうと私が感じている最期をついでに此処で語っておこう。それはあのディズニーランドのカリブの海賊の乱積みされた財宝の山に座って死んだ骸骨 ... ああした最期であろうと、今は、私は念ふ。この世の全てが見えたようでいて実は何もかもが見えなくなった無明 ... この世の全てを手に入れたような気にさせられ乍らにして実は何一つ残らず失ってしまった後に静か閉じ沈んだ姿だ .... .... ..... ....... 。まぁいい。どうせ、たったの100年前後の暇のあれこれというだけなのだから。
9/29/2022, 8:02:11 PM