「お弁当、温めますか?」ダルそうに会計していた店員が思い出したようにそう聞いてきた。「いや、大丈夫です」時刻は真夜中を少し過ぎたところで、俺は早く家に帰りたかった。コンビニのピロピロという入店音を背中に、ぼんやりとした街灯を頼りにしながら帰路についた。ヒュウと吹いてきた風が冷たくて、今は秋だったのかと思い知る。歩いて、歩いて、ようやく家が見えてきたころに俺はふとボロいキッチンの電子レンジが壊れていたことに気が付いた。
3/1/2025, 6:28:40 AM