別れ際には笑顔で挨拶したい
そうすればその日の思い出はプラスの感情になるから
ずっとそう思っているけれど
大多数の人間にとって感情や感想は蓄積らしい
最後に笑っていても、私がやらかしたミスは消えない
私への憎しみも消えない
いくら笑顔で別れても、プラマイのプラスに影響はしないらしい
私は『終わりよければすべて良し』精神だけどまさかこんな身近に真反対の考え方をする人がいるなんて青天の霹靂だった
実母なんだけど
どんなに笑顔で別れても何かひとつでも不快な思いをしているとその感情をずっと引きずる人
他人の過去のミスや失態をネチネチと愚痴り続けるのに、自分のやらかしは見て見ぬ振りができる人
歳を重ねるに連れて実母はその母親にどんどん似てきている
ずっと憎んできた、死んでもなお憎み続けている、彼女の実の母に
私にとっては祖母
思い起こせば祖母も別れ際の笑顔が義務的で愛情のない印象だった
月に一回、子供をつれて実家に顔を出す母親
月に一回、子供をつれてくる娘をもてなす祖母
何もかもが義務的で誰も望んでいない毎月のイベント
お互いが別れ際にせいせいとするような笑顔
その笑顔は相手に向けられたものではなかった
私は祖母の家に行くのが楽しくなかった
そして今大人になって、私は実母に会うことが憂鬱だ
本能的に親に愛されたい願望はあるし、愛着障害を抱えている自覚があるから、話は拗れる
別れ際の笑顔が信用できない以上、実母と過ごす時間は全神経を張り詰めて一瞬ごとの実母の感情を読み取ろうとしている
そこまでしなくてもいいよ
他人に嫌われたところで私の価値は変わらないよ
大人になって賢くなったもうひとりの私が囁いてくれるのに、子供の頃に満たされなかった感情が滲む
別れ際の笑顔はマナーのひとつなんだろう
それはわかるけれど
私の笑顔は本物だよ
相手が時間を使って私といっしょに過ごしてくれて嬉しいから笑顔が出てしまうんだよ
9/28/2023, 10:48:24 AM